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デビルマン

デビルマン

【評価】 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 2点
【公式サイト】 http://www.devilmanthemovie.jp/
【総評】(ネタバレ含む)

「あ、あ、あああーーーーー」という悲鳴を聞いた瞬間、僕ら兄弟はもうだめだと思いました。2人がかりでがんばってなんとか良いところ探そうとしたけどダメでした。ごめん。>誰に対して?

さて、待ちに待った伝説のクソ映画『デビルマン』のレンタルDVDがいよいよ登場ということで、さっそく借りてきました。予備知識によると、東映の株主を対象にした試写会で、デビルマンを見た人はこぞって株を売る、見てない人は予告CG効果で株を買うという現象の末に株価暴落が起きたとか起きてないとかで、見る前からその期待は煽られます。

こういう映画は1人で観ても後悔するだけなんで、ついさっきケンカしたばかりの兄貴といっしょに楽しむ事にしました。電気を消してカーテンを閉めて、コーヒーも注いで準備万端。もちろん叩く準備も万端です。

まー、デビルマンの酷評ぶりはネット上で検索すればお手軽に手に入りますので、あえて深いツッコミはいれませんけれども、なんというかその、ひとことで言えば、とんだ茶番でございます。

冒頭の、余りにも有名なセリフ「オレ、デーモンになっちゃたよー」に始まり、「オレ、死んじゃったよー」などの棒読みゼリフ、そして「あ、あ、あああーーーーー」、「ほわーーーん」というこちら側に感情が伝わらない非常に珍しいタイプの悲鳴など、あまりにあんまりな演技に僕らは大満足でした。

つーかですね、主人公のイケメンの彼ね、喜怒哀楽の声のトーンが全部いっしょなんですよ。

「あ、あ、ああああーーーー」 → あれおまえそれ何の悲鳴だ?驚きか?
「ほわーーーーん」 → なんだこれ。もしかして哀しんでるの?
「ああーーーーー!」 → 悔しい?悲しい?どっちでもいいけどもうちょっとがんばって涙流そうよ。

などなど、つい巻き戻して何度も観たいシーンが満載でした。

原作のデビルマンについてはあまり知りませんが、映画の中のストーリー展開はこうでした。

わかりやすく表せば、中世ヨーロッパの魔女狩りの話とでもいいましょうか。「おまえデーモンでしょ?よーし殺せー!」ってな展開が世界規模で広がっていって最後には本物のデーモンもわんさかで世界は核戦争にまで発展するっていう壮大なシナリオなんですけど、あのな監督、オレがここで言いたいのは、そんだけ話を大きくするんならその展開に併せて登場キャラの行動パターンも舞台規模もいっしょに動かしていきましょうよってことなんすよ。

なんかね、ニュースキャスター・ボブサップさんの速報によると、世界は大変なことになってるはずなのに、舞台はずっといっしょの規模のままで話が進んでいくんですよ。街の片隅で起こる事件を部分部分つなげて無理矢理大きく見せようとしたり、それでも表現できないところは全部CGでやっつけようみたいなノリで進んでいくんすよ。

だけどそれじゃいくらなんでも無理な繋ぎになっちゃうばかりでなく、オレ達視聴者も置き去りにしちゃうわけで。だから、気付いたら北斗の拳みたいな荒廃した世界になってるその次のシーンでは何事もなかったりするから、「なんだよ戦争とかデーモンバトルのON/OFF機能でも付いてるんじゃねーのか」と疑ってみたり。

あと気になったのは、主人公がデビルマンになって暴れたシーンの途中で暗転して気付いたら自宅で寝てました目が覚めましたってパターンはどうにかなんないだろーか。予算の関係なのはわかるけど、3回もやってると逃げの表現にしか見えないよ。

「誰かにデーモンと疑われた時点でそいつはデーモンと見なされて連行or射殺される」という法律も、実写で表現するときついよな。デーモン容疑者て。もはや滑稽なだけだよそれは。


デブルマン
巨漢3人がデーモン容疑者を潰すシーン。
疑心暗鬼な世の中を表現してるであろうシーンなんだけど、どこをどう見たってやっぱおもろいって監督。


劇場版『北斗の拳』は「10分に1度の死闘」がウリだったけど、この『デビルマン』はそれを軽く上回る3分に1度のツッコミポイントが出てくるんで、そういう意味では何かと楽しめる映画ではありました。そういう意味で★2点なわけです。オレらもいろいろリプレイしてるうちに約2時間の上映時間が3時間に及んだりとわりと楽しめました。でも決して一人で見るなかれ、友達と叩きながら観るべしというメッセージも同時に付け加えておきます。

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茶の味

茶の味

【評価】 ★★★★★★★★☆☆ 8点
【公式サイト】 http://www.chanoaji.jp/
【総評】
なんていうか、大きく引っ張られるような展開はないけど、そのかわりじわじわ効いてくる感じ(ほとんどBGMを使ってないのが逆に印象的)。決して「人間とは?」みたいな大それたテーマではなく、登場キャラ毎の日常エピソードを綴っていますが、それぞれに味があって映画のタイトルもここに由来してたんだなーと思った。茶のような渋い味があるって意味で。キャラの一人であるハジメ少年、あいつの自然で素敵な笑顔は観てて小さな幸せを運んでくれました。

しかしそれだけだったら★7点で終わっていたかもしんない。じゃあ何がそこまでオレにヒットしたのか。それは笑いの見せ方。ボケ→突っ込みの笑いではなくて、日常のシーンからさりげなくお笑いシーンにシフトするあの入り方、計算された落とし方に、思わずやられてしまいました。とあるシーン(例:背後に立つヤクザと少年の表情)には久しぶりに崩れ落ちるまで笑わせてもらい、繰り返しそのシーンだけをリピート再生してしまうほど。個人的にそのシーンにはお笑い点★10点を差し上げたいぐらいです。

田舎の田園風景もいい感じで、タイトル「茶の味」が意味する通りほのぼの味わい深い作品でした。ただ、後半でちょっち長さを感じてしまったのが残念ですけどとても素敵な作品でした。

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花とアリス

花とアリス

【評価】 ★★★★★★★★★☆ 9点
【公式サイト】 http://www.hana-alice.com/
【総評】

またやられた。

この岩井俊二監督には『リリイシュシュ』の時も相当やられたけど、こっちも負けないぐらいやられた。『リリイシュシュ』は、そのダークさゆえの賛否を分断するあの後味も含めてオレは絶賛したけど、『花とアリス』の場合は観た後の素敵な爽やかさに、これまた絶賛したいと思わせる作品でした。

この『花とアリス』、実は映画公開前に全部で40分ぐらいのショートフィルム版としてネット上で公開されてて、ナローバンド用の小さいメディアプレーヤーで何回か繰り返し観た覚えがありますけど、当時のオレの感想としては、「美しい音と映像で描かれたなんだかよく掴めない三角関係のお話」程度の印象しか持てず良さもイマイチ伝わってこなかった。

それがどうだよ。今回は見事にツボったよ。

何がいいかって、花とアリスのキャラクター。もうこれに尽きます。
岩井俊二は、なんて女の子の魅力を引き出すのがうまいんだろう。それに、微妙なニュアンスの表情・しぐさ・セリフを、鈴木杏と蒼井優はなんてナチュラルに・等身大にこなすんだろう。変に意識してなさそうなところが、彼女らのキャラクターとしての魅力を引き立ててて、気付いたらオレはアリスというキャラがすごい好きになってた。

最上級の表現で言うならば、オレは、彼女の中に幻想を見ることが出来た。ここポイントね。

アリス役の蒼井優は、『リリイシュシュ』の津田役の時も、そのショッキングさでオレの中で一番印象に残ったキャラだったし、この子、これからジワジワくるんじゃないの?なんだかファンになりそうだわ。ファンレターに「蒼井そらに負けずに頑張ってください」って書いて届けたいぐらい。

まーとにかく、そんぐらいしっかりとキャラが生きてたもんだから、この2人が登場するだけであとはもうどんなストーリーでも話は成り立つんじゃないかってぐらいの勢いでした。いや逆か。このシナリオが、ストーリー展開が、うまく彼女らの良さを引き出した。こっちだな。

ストーリーの柱は2つあって、1つは「憧れの先輩が自分を記憶喪失と信じ続ける限り、私は今カノでいることが出来る」というある種少女マンガ的な話で、強引な花とアリスに振り回される宮本先輩の、特殊な三角関係が素直におもしろかった。もう一方ではアリスサイドの別の話が進行してたけど、こっちはこっちで美しい岩井ワールドが展開して素敵に仕上がってた。

いやー、時折紛れ込む小ネタ(意外なチョイ役たち)にも笑わせてもらったし、この映画は、芸術点も高しという所も併せて評価しておきたいですね。

そうだよ、岩井マジックとも呼べるこの世界観の美しさ。これに触れとかないと。美しい画と音楽が紡ぎ出す世界というか、ゆっくり淡々と進行する中で生まれる味わい深い世界というか、うまくいえないけど、この世界に・空気にずっと浸かっていたいと思わせる感動がそこにはある。

これはなかなかすごいことで、そういう作品の良さってのはあまり理屈で語れないもんだ。突出したシナリオでもなく冗長で無駄なシーンが多いと感じる人もいるかもしれない。ただそれでもオレは最後には、賞賛の溜め息を漏らしてしまう。なんなんだろう。まさにマジック。

つーか、ただ単に自分の好みのセンスと合致しただけなのかもしれませんが、オレはそいつにやられましたの★9点でした。ヨシ、DVDとサントラをチェキだ!

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